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―2014年― 放射線対策 対区交渉2014年9月
こどもと区民を放射能から守る葛飾連絡会  対区交渉の報告  2014年9月
交渉日:2014年9月1日(月)午前11時〜12時、区庁舎内会議室にて
市民側参加者:(葛飾青空の会、こどもと…連絡会、和泉なおみ事務所)
葛飾区側:地域振興部放射線対策担当課長(山梨氏)、防災課放射線対策係長(山崎氏)
     
 提出していた要望書に対して、8月21日に回答があり、この日、ようやく交渉ができました。
 6月に行なった有志による区内1000か所測定の取り組みの結果、区の除染基準を超えた地点もまだ発見されているところから、もっと住民を支援する体制、とくに私有地に対する除染の支援と健康影響への対策が必要だということを、今回は柱にして交渉に臨みました。(区側の発言は、すべて山梨氏)

A:区役所内でも、我々の仕事は「まだやってるのか?」と言われたりするのですが、この問題は「風化させない」ということで、今後もやっていくつもりです。

 【  】  Question  要望・質問  【 A 】   Answer  区の回答・発言
Q:東京都は「地上1mで周囲より1μSv/h以上高い線量」を除染の基準としているが、葛飾は独自に「地上1cm1μSv/h以上」を採用しているのは、比較の上では評価できる。測定機器や洗浄機の貸し出しなどでは23区内でも進んでいる方だ。しかし、生活にも放射能の影響にも、都有地か区有地か民有地かの区別などない。都の頑なな態度を転換させ、特措法に基づいて除染措置がとれるよう、今後も働き掛けてほしい。 A:都へは、区としても何度も要求しているが、「都内には面としての汚染地域は存在しない」ということから「特措法」の指定申請もしておらず、自然減衰の状況から経常的調査も不要という立場を東京都はとっている。都の姿勢は堅く、今後もこの基準を変更することはないと思われる。したがって、区の管理地は区が、私有地についてはその所有者が、区の用意する測定器や洗浄機を使って除染するしかないのではないか。
Q:都の姿勢が頑なであるのは、私たちも都庁に要求に出向いて知っている。しかし、だからといって、「私たちでどうにかしましょう」は、話が逆ではないか? あくまでも、私たちは主権者で、都の住民で、私たちの調査によれば葛飾区は汚染のひどい地域だから、私有地の除染にも公的支援の及ぶ特措法指定を都は受けるべきだし、私たちの要求に添う姿勢で区が都に対して交渉をするなら、私たちも一緒に働き掛けたい。2011年に遡れば、区内の線量は、特措法の除染基準「23μSv/h」を超えている場所が広範に存在した。「面としての汚染地域は都内に存在しない」というのは事実に反します。
Q:私の住んでいるマンションでは、まだ公的支援が何もなかった2011年の事故発生直後から、マンション理事会に対策委員会を設けて研究し、自主的な除染をした。人材と機材を自力で揃え、毎月、測定と除染を繰り返し、ほぼ1年半ほどで、高線量の場所は見つからないところまできた。しかし、課題は残っている。まず、マンションの外は手付かずだということ。住民の生活はマンション内だけではない。また、除染作業によって出てきた汚染土などは、マンション敷地内に仮に埋めてあるが、最終的な持って行き場がないこと。除染のために使った費用は東電に請求したが、すべて賠償を拒否された。この経験から見て、個人住宅や小規模の集合住宅・事業所で、自力で除染し残土の管理をするのは無理だと思う。

Q:私有地の除染で出てくる汚染土の保管場所を考えるという話を、以前、青空の会の申し入れのさいに、区側はしていたのではなかったか?

A:「考える」とは言ったかもしれないが、…。汚染土の保管場所を区有地に作るのは、難しい。その場所は区有地でも、隣接する地域の住民から不安の声があがり、拒否されるだろう。私有地については、日常の清掃と同じで、それぞれで除染し、敷地内で処分してもらうしかない。区で学校や公園を除染した土も、基本的にはその敷地内の人の立ち入りの少ない場所に埋めることと、洗浄機で洗った水は下水に流すことになっています。都の下水処理場で処理できると言われています。
Q:それでは、生活の場から放射能を遠ざけることにはならない。放射性物質というのは、事故前なら、ほんの数ベクレルが身体や室内に付着しただけでも、厳密な除染が要求された物質なんですよ。原発事故という、国の政策と、東電という企業の責任で起した事故で生まれた物質です。最終的には、区も被害者なのだから、住民と一緒に上級の行政に要求していくのが、本来の自治体の仕事なのでは? これからも、要求は続けると約束してくださいよ。
A:できることは、していきます。
Q:まずは、水元公園の除染のさいに出た汚染土の保管場所、製パン工場のすぐそばにある、あそこをどうにかすることだけでも、すぐに都にさせてください。土を入れた袋も、覆いのシートも破れはじめていますよ。 A:あれについては、やってもらわなければと考えています。
Q:私たちの測定による通報で、区の基準を上回った場所のうち、区の管理する施設について、区で再測定したら、すべて基準未満だったという回答ですが、ほんとうに同じ場所かどうか。ほんの10cm20cmずれたところでも、1cm高さの線量は変わります。通報者と一緒に再測定するようにしてほしい。 A:(これについては回答なし?)
Q:広報の問題ですが。民有地であるか公有地であるかを問わず、高線量の検出された場所については、広報する、表示するなどして、対策を施すまでは、警告をするのが、被曝の影響を少なくするために必要なのではないか? A:公有地については、児童公園などの空間線量は定期的に測定して広報に載せているし、高線量箇所が見つかれば除染する。しかし、民有地については国や都の基準未満のものについては除染は難しい。広報については、水元の農家のビニールハウス脇の例などは、風評被害が発生するおそれもある。
Q:それは、風評被害とは言わないでしょう? 風評被害というのは、実際には何も危険なものがないのに、そのような噂が広がって、そのことによって被害が出ることだ。水元の場合は、現実にそこに放射性物質が高濃度で存在するのだから、影響が懸念されるわけで、警告するのは、人々の健康を守るために必要なこと。その状態にたいして、何らかの有効な対策を講じることで初めて、被害を軽減することができるのではないか? A:しかし、世の中には、みなさんのように放射能の影響について気にする方もいれば、あまり気にしない方もいる。
Q:気にさえしなければ、被害も起こらないというのなら、簡単だ。私のマンションの隣にある都立の特別支援学校の例をあげる。測定して汚染が判明しているマンションと区立中学校の間に都立学校があるのだが、この学校は、測定も対策もせずに、従来どおり生徒たちに野菜作りなどもさせているので、校長に、対策を取るよう申し入れをした。そうしたら、「東京都では、都内に面としての汚染地域はない。特別の対策は不要だという立場です」と答えた。都立の施設には放射能が降らないのか? 考え方が倒錯していないか? たしかに、新宿の都庁のあたりでは、汚染はそれほどでもないかもしれない。だけど、同じ都内でも葛飾では、この程度に汚染されていると報告して、生徒や住民の健康を守るために何らかの対策を求めるのが、校長の仕事であり、自治体の仕事ではないか。チェルノブイリ原発事故のさいも、「放射能汚染はなかった」と公式には言われたキエフで、実際には健康被害が出ていることは、今では明らかなんです。
Q:東京都の考え方で、「放射線量の時間的減衰」というのがあるが、減衰の曲線を逆に遡って事故発生直後の状態を推定してみると、とんでもない線量になる。ということは、その時期、それだけの放射能の影響を、我々はすでに受けているということだ。除染などの対策のほかに、健康調査も検討していただきたい。 A:現在の「基準」や特措法ができる以前の問題については、対応できません。
Q:法律や測定体制がいつできたかは、関係ない。事故が起きて、放射能が拡散した。公的な測定体制が整っていない初期に膨大な量が飛んできた。希ガスやヨウ素のような放射性物質は、風で飛び去ったり、半減期が短いために、現在では検出されないが、この辺りに漂っていた時期に浴びてしまったものの影響は、すでに身体の中に残っている可能性がある。その変化をなるべく早いうちに見つけて、影響をできるだけ軽くするのも、住民の健康を守る自治体の仕事のはずだ。
Q:もうひとつ、空間線量ばかりを問題にすることで無視されている影響がある。「シーベルト」の変化は、外から浴びる放射線の強さの変化で、これが減衰しているから影響が小さくなっているというのが、都の言い分。しかし、「ベクレル」で測ってみれば、その場に存在し、埃として、あるいは食物に吸収されて、体内に取り込まれる放射性物質の量が認識される。これは、事故後の日本の行政に欠落している観点だ。この葛飾の、たとえば金町の、ミニホットスポットではない、小学校のすぐそばの民家の庭の水はけのよい場所で測定した土に、今年の初めまだ1600Bq/kgほどのセシウムが存在していた。これは、チェルノブイリ原発事故のさいに旧ソ連や後のウクライナ政府が定めた基準で、放射線についての監視と健康管理の必要な地域、に匹敵する(空間線量は0.110.14μSv/h程度で「基準値未満」だが)。金町浄水場で高濃度の汚染が見つかったのが2011322日〜23日のころを思い出してほしい。3年前にもっと積極的な対策を講じていたら、と思う。住民の身体は、それほどの汚染を受けているという認識を持って当たっていただきたい。
Q:少数のうるさいジイサン・バアサンだけが、まだいろいろ言っている、と思っているかもしれないが、私たちが公園や道路で測定していると、若い母親らしい人、孫を持つ祖母らしい人などが、遠慮がちに声をかけてきて、堰を切ったように、ぬぐい去れない不安について話してくれる。また、マンションの除染のついでに、近所の幼稚園の除染もやったのだが、それで喜んでくれた人もいれば、子供の通う幼稚園の汚染という事実を知らされて嫌がった人もいる。最近では、放射能汚染の話を口に出しにくい空気が支配している、という声もある。私たちの後ろには、まだ大きな声に出せないが、不安を持ち続けているこうした人々がいることも、知っていてほしい。
Q:動かない国や都と、住民の要求の間にはさまれて、区の担当者が大変なのは理解できるが、あくまでも住民の安全の側に立って仕事をするのが、自治体の役目ですから、それを忘れないでもらいたい。このまま国や都の言うなりに時間的減衰にまかせて放置するというのでは、誤った「風評」を助長し、事態の「風化」に自治体が手を貸して、住民の生活や健康を守る任務を放棄することになる。
Q:ほんとうの意味の「不安払拭」は、事実は事実としてありのままに知らせ、被害を軽減するために具体的な対策を講じることでしか得られない。不安を呼び起こすからと事実にフタをすることではない。
A:区役所内でも、我々の仕事は「まだやってるのか?」と言われたりするのですが、この問題は「風化させない」ということで、今後もやっていくつもりです。

Q:今後も私たちは、行政の力を借りないとできない対策について要望を出していく。住民の側に立って都なり国なりに区としての要求を持って行くなら、応援もしたい。今日は防災訓練などもあってお忙しい日らしいので、これで終わりにします。ありがとうございました。

A:今日は、限られた時間になってしまい、申し訳ありません。今後ともご協力よろしくお願いいたします。
Q:(…だから、納得できないことには理解も協力もできない。こちらの方こそ、理解して住民側に立って動いてくれと言っているのに…。また来るしかなさそうだ…。)

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